昨夜は、久々に神戸で一杯。例によって独酌。
いつもは三宮・元町辺りへ行くのだけれど、以前、元同僚のSさんに連れて行ってもらった新開地近辺の店が雰囲気が良かったので、今回はそちら方面で新しい店を開拓だ。
神戸電鉄に揺られて終点の「新開地」で降りると、駅の地下街にずらりと飲み屋が並んでいる。そのうち半分は立ち飲み屋だ。
私は、じっくり腰をすえないと落ち着かない性分なので、座れる店でないと・・・物色していると、「丸萬」という店が、外から見た感じでは、雰囲気が良さそうだ。一応、チェック。
地下街から地上に出て、しばらくぶらついていると、「高田屋京店」という古そうな店を発見。店頭には「金盃」の樽が飾られている。私の好きだった大衆酒場の「元町金盃」(もう廃業してしまったが)と何か関係があるのだろうか?・・・何か期待できそう。一応、ここもチェック。
結局、この二つの店のどちらかということで、行きつ戻りつ迷ったが、とりあえず「丸萬」に入ることに決めた。
「丸萬」は、スタッフが大将らしきおじさんと、おばさんが二人、見習いのような感じの青年が一人、というこじんまりした店だった。
カウンター席の板は無塗装で、古色を出すために、わざとらしく濃い色のニスなどで塗られていないのが良い。おそらく、震災後に再建されたのだろうが、カウンターは、これから客の肘で磨かれ、自然な風合いが出てくることだろう。
とりあえず、ビールを注文し、だし巻き(生姜とダシがきいていてうまかった)と鳥皮(塩!)で一杯。2本目は燗酒。ここのお酒は「白鶴」だった。
メニューは紙の短冊と黒板に書かれている。全体的に雑然としているが、それがまた酒場の雰囲気があって良い。
黒板の品書きを見ていると、ブリの塩焼きが安かったので、それを注文したが、これは、脂がのっていて旨かったな。
この店は気に入ったので、このままここで飲み続けようかとも思ったが、さきほどの「高田屋京店」も気になる。
結局、勘定(安かった!)を済ませて、そちらに向かうことにした。
「高田屋」に入るなり、これはもう素晴らしい居酒屋だと直感した。
年配の大将のほかには、大勢のおばさんが、忙しく立ち回っていた。店内は大勢の客であふれ、活気に満ちた大衆酒場という感じだ。
「おでん」が煮立っている四角い鍋の前がちょうど空いていたので、そこに腰掛け、早速お酒を注文する。と、出てきた徳利には「キンパイ」と書かれている。
中身も「金盃」なのかな?先の「白鶴」は濃醇だったが、こちらはずいぶんサラリとしていて、独特の香りがある。
「おでんを・・・たこ・・・・たまご・・・厚揚げ・・・(こうやって選んでいるときが楽しい)、あぁ、それからジャガイモをください。」と言うと、目の前で皿にカラシを付けてよそおってくれた。
おっと、そうそう、好物の「きずし」をたのまなくては。この店にはあるのかな?
店内に雑然と貼られているたくさんの品書きを目でさがしていくと、あった、あった、「生ずし 350円」というのを見つけた。それにしても、350円て・・・。
大阪、神戸の居酒屋は安いと言うけれど、これは、ちょっと驚異的な安さだ。三宮だとこの値段ではないだろう。東京なんかだと、さらに高いのだろうな。

ここは私が今までに訪れた居酒屋のなかでも最高峰の店だ。
私の好きな居酒屋の典型がここにあると言ってよい。庶民的な喧騒と独り酒のコントラストがたまらない。
勘定をしてもらうと、なんと全部で千二百十円。
行き当たりばったりに訪れた居酒屋だったが、今回は2件とも「当たり」だった。
電車に少しだけ揺られて、定宿の「神戸サウナ」のカプセルホテルに向かう。
三宮駅に降り、しばらく繁華街を歩いていると、すれ違うのは新開地とは対照的に着飾った若者ばかりだ。
チェーン店の居酒屋の前を通りすがると、店頭のメニューに書かれた「きずし」は520円だった。
本当の古き良き神戸は、庶民の町「新開地」にあるのかもしれない・・・。
posted by 酔古堂碧山 at 18:17|
日記
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